2025年12月11日

宇宙エレベーター

雑学コレクション

宇宙エレベーターは塔じゃない

1 min read

世間でよくある宇宙エレベーターに対する誤解のひとつが、宇宙エレベーターのビジュアルについてだろうと思います。映像作品に出てくる宇宙エレベーターといえば、特に地表部分はほとんど例外なく「塔」のイメージで描かれています。「ブルーノア」も「オーガス」も、「仮面ライダーカブト」も「ガンダムOO」も「エンデュミオン」も、みんな塔の形で宇宙エレベーターの形を描いているのです。

だけど、現在もっとも初期に実現されるだろうと考えられている宇宙エレベーター、いわゆるエドワーズタイプと呼ばれるものが想定している姿は、宇宙に伸びる頑強な建造物ではなくて、ただのリボンです。

メガフロートと呼ばれる、海上に浮かぶ人工地盤の上に建設された施設、その中から天空に限りなく伸びていく1本の真っ黒なリボン。幅は数十センチから1メートル前後と言われています。それが天に向かって果てしなく伸びていて、高さ1000メートルにも達すると、空に溶け込んでどんなに目を凝らしてみてももうその先は見えない。つまり空に向かって消えていく。それが現在考えられている宇宙エレベータの地表から見る姿です。

まあ、貨物やら乗客やらを載せるエレベーターのかごにあたる乗り物(一般にはクライマーと呼ばれます)の発着場などの施設が必要なので、なんらかの建物は作られるでしょうが、それは別に高い建物である必要はありません。クライマーの長さを収納できる程度の高さがあれば十分ですから、ビルにして数階から10階程度の高さがあれば収まるように思われます。現在想定されているクライマーの重さも、荷物を載せた重さで数十トン程度ですから、そう巨大なクライマーにすることはあまり現実的ではないでしょう。ということで、地上から見上げると、たとえば海に浮かぶ10階建て程度のビルの屋上から天空に伸びていく黒いリボン、宇宙エレベーターのビジュアルは、そんなものになるのではないかと想像しています。

少なくとも現在いろんなところで映像化されているような宇宙エレベーターの形になるのは、第2、第3世代の宇宙エレベーターの登場を待つことになりそうですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright © All rights reserved. | Newsphere by AF themes.